NHKの見識とは

昨日、夏休みを過ごした香港から帰ってきました。
地上波では終戦記念日の8月15日に放映されたのですが、滞在先の香港では、8月18日夜、このNHKスペシャルが放映されました。その内容は、戦前、海軍と陸軍の対立、認識の違いが先の大戦で多大な被害を国民にもたらした・・・といった「おそまつ」な番組です。

この番組には、香港などもふくめたアジア諸国にどれだけの被害と惨禍をもたらしたかという反省は感じられません。日本はどこに向かおうとしているのか、不安さえ感じてしまいました。

その直後、香港では、日本の戦前からどのように戦争を拡大していったのかという英語放送が放映されていました。おそらく米国のドキュメンタリーだと思いますが、私自身、初めて、大正天皇の動画を見たことが、ある意味で衝撃的でした。明らかに健常者ではないということが分かる映像でした。インタビューに答える日本人の学者が、天皇が公務に耐えられないことは、当時の支配層にとって重大問題だった、と解説をしていました。大正天皇の死後、昭和天皇が即位したときの、当時日本国民の熱狂ぶりも放映していました。その昭和天皇とは、白馬に乗った現人神・・・なんだか金日成みたい。その後、我が国が戦線を拡大していったことは、解説する必要はないでしょう。

この番組が歴史に忠実だと思えたのは、昭和天皇が、時の内閣が無条件降伏を受け入れようという考えを制して、天皇が、戦争継続に固執したということも放送していたことです。この事実は、わが党は、公式の記録からもその事実を紹介していますが、日本のマスコミは、事実をあべこべに描いています。軍部が戦争継続に固執したと。

この英語番組をすべていいとはいえません。なぜなら、日本の歴史を天皇家の推移ですべてを描いていたからです。最近、誰が皇位を継承するのか、現状では、天皇家の二男に男子が誕生したことも興味深げに報道していました。現日本憲法が、天皇をわが国の象徴と規定していることからやむをえないことかもしれません。

重大な問題は、歴史認識です。アジア諸国は、我が国のかつての蛮行を決して忘れてはいないという事実を直視することは、日本人としての絶対に忘れてはいけない歴史の事実です。