独裁を終わらせたCM「NO」

8月30日から、ヒューマントラストシネマ有楽町で「NO」という映画が上映される。カンヌ、アカデミーをはじめ数々の映画賞を獲得した力作だ。1973年、南米チリで共産党も与党である選挙で勝利したアジェンデ政権をピノチェト将軍が軍事クーデターで転覆を謀った。その一部始終を映画化した「サンチャゴに雨がふる」は、私の人生に大きな影響を与えた。ピノチェトはその後、大統領になり、反対者を次々に抹殺する軍事独裁恐怖政治を行う。しかし、世論は動き、1988年ピノチェト政権の信任投票がおこなわれることに。独裁政治を終わらせようと、一人のプロデューサーにテレビCMづくりを託される。このCMて世論が動き、信任投票は否決され、やがて革命になり、ピノチェトは海外に逃亡することとなる。
 
中南米は、米国と距離をおく左派政権が次々に誕生し、米国諜報機関はかつてのチリのように介入できなくなった。無駄に時間は流れていない。我が国も危険な動きが顕著だが間違った歴史を繰り返してはならない。

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