台湾地震

台湾南部の地震で16階のビルが倒壊して、テレビで報道されているが、違和感がある。この倒壊したビルの周りが整然としているのにこのビルだけが倒壊していて、その原因が、恐るべき手抜き工事だったことが指摘されている。台湾では、1999年大地震があり、その後、耐震基準の改訂が行われ、危険建築物の指定などが行われたが、意識が低い、と断じている。それに比較して、日本では、阪神大震災、姉葉事件の度に対策が強化されているというのである。しかし、この指摘は大間違いだと思う。
我が国の耐震基準の改訂は、1980年の仙台地震の翌年だ。従って、それ以前に建設された建物が新耐震基準を満たしていない可能性が高い。しかし、その後、新耐震基準に改善した建物などごく少数であったことが阪神大震災であの大惨事になったのだ。阪神大震災後、各地で耐震診断の制度が次々に作られて、拡充されている。しかし、多くの住民が、耐震診断と耐震補強の負担に耐えられず、危険な建物に居住している多くの住民がいることは行政も私たちも認識している。間違った世論操作はやめてもらいたい。