幻夜

東野圭吾氏の小説です。正月休みに一気読みしました。
ネットでもふらりと「幻夜」を検索すると、その数年前に執筆された「白夜行」の連作で、先に「白夜行」を読まないと、いけないらしいとのことです。あわてて「白夜行」を読み始めていますが、まとまった時間、活字にのみ没頭していられないので4センチ近く800ページをこえる文庫本なので数日かかりそうです。

しかし、順序がさかさまだといいますが「幻夜」も十分おもしろかったですけど。阪神大震災を契機に変わっていく男女のストーリーですが、「本当の幸せとは」「人の尊厳とは」考えさせられるものです。結末は、内緒にしておきます。

東野氏は、私よりちょっと年上ですが、ほぼ同世代、大阪で暮らした時期が重なりあっていているせいか、うなずける記述が多いいのもおもしろく感じたのかもしれません。

いまや人気作家として不動の地位にいる同氏ですが、「白夜行」、「幻夜」と直木賞候補となりますが、いずれも受賞とならず、2006年「容疑者Xの献身」という作品で直木賞受賞とのことです。そんなことも知らず、図書館で数日前借りてきました。

直木賞といっても懐疑的に想うこともあります。
同じく人気作家の池井戸潤氏の「空飛ぶタイヤ」が受賞をのがし「下町ロケット」で受賞しました。どちらも素晴らしい作品だと思いますが、「空飛ぶタイヤ」は、ただ単に銀行や大企業の横暴勝手を批判的に描くだけではなく、天下の三菱自動車の実際にあったリコール隠しが問題になっているのです。三菱といえば原発村の構成者のひとつです。

乗り越えなければならない山あり谷ありなのでしょうか。