インドネシア

昨日、NHKの番組でインドネシアの経済成長を特集していた。我が国の二倍の人口をもつアジアの中での大国といってよく、首都ジャカルタは、南国の風情ではなく、文字通り大都会にみえた。

しかし、インドネシアには、資本主義国では最大で200万人の党員を擁する共産党があった。スカルノ大統領の支持基盤にもなっていたとのことだ。しかし、1965年、軍人のスハルトが、事実上のクーデターで数日間のうちに、当時200万人いたとされる共産党員が、虐殺、拉致、投獄されられ組織は壊滅させられた。その後、権力の座はスハルト氏へと動いた。おそるべきことではないか。これが歴史として十分に伝えられていない、コミュニストへの血塗られたジェノサイド、それへの公開も、歴史への反省もないことには、怒りを覚える。この国が、反共の砦となり、今でも共産党についてふれることもタブーになっていることは事実だ。

NHKのアナウンサーは、インドネシアは、いまや日本の大きなマーケット、中間層が増大して購買意欲も高い・・・事実なのでしょう。つづけて、中小企業も進出しやすい環境が整っている・・・とまさに、日本の中小企業にインドネシアへと進出すべきだと宣伝しているような言い方に違和感を覚えた。

我が国の経済は、産業の空洞化がすすみ、雇用情勢はすでに深刻だ。公共放送なら産業の空洞化が将来どのような弊害をもたらすかは多少なりともわかっているでしょう。米国は、産業の空洞化が完了してしまったような状態で大変な事態になっている。(兵器産業だけは例外)

我が国の産業空洞化を阻止しなければ、米国のようになってしまう。資源の乏しく、食料自給率も低い我が国では、米国以上に深刻になってしまうのかもしれない。

公共放送としての自覚に欠けることはすべきではない、と思うのだが、明確にTPP推進の立場に立って特番を組むNHKは、私に言わせれば存在する意義は薄い。