山が消えた 残土・産廃戦争

必要に迫られて、佐久間充氏(栄養女子大名誉教授)の著作を読んだ。
大都市の開発や巨大ビルをつくり、海岸を埋め立てるために関東でも関西でも山が削られコンクリートの材料にされてきた。亡くなった山は、トンネルの残土やごみ、産業廃棄物が処分されてきた長い歴史だ。千葉県のある市会議員は、削り取られた山の後は、グランドキャニオンのようだという。

これは終わったのではなく、現在進行形で進んでいる現実の大問題なのだ。残土や産廃がすてられることによって、井戸水が枯れる、川の汚染が進むなど深刻な被害がもたらされてきた。

しかし、矛盾の起きているところでは、必ず住民が立ち上がり、産廃にも基準が設けられたり、残土の処理にもまだまだ不十分だが、一定の規制も設けられてきた歴史でもあった。しかし、もぐりの産廃業者はあとを絶たない。

JR東海が計画しているリニア新幹線、その残土・産廃の処分と葛飾新小岩公園は、そこに接点があり、厳しく問われている問題だ。